ANNAPURNA ~マルハン家の食卓~

食生活の記録@インド/アンナプルナとは、サンスクリット語で「たくさんの食べ物を供する豊穣の女神」を意味します。

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本日金曜日は、本来第1回となるはずだった、ローカルフード探検開催日だった。一昨日、急遽「夜の集い」を行ったことから、事実上、2回目である。

あれこれと情報誌を見ていたときに見つけた「有名店」だが、目的地は、隊員の誰もが足を踏み入れたことのないエリア。

市街西部の、「古くからのバンガロール風情がこてこてに息づいている」地域である。待ち合わせの正午より、少々早めに着いたので、街を歩くことにした。

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庶民の暮らしがつぶさに伝わるこのあたり。激しい喧噪。テキスタイルショップが非常に多く、男性は昔ながらの仕立てパンツ、女性はサリーやサルワーカミーズをまとっている確率が高い。

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往来を、リヤカーやテンポ(小さな配送車)が、ひっきりなしに通ってゆく。その合間を縫うように、バイクやオートリクショーや、人々。

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下のような、昔ながらのテイラーがあちこちに見られる。値段は、ズポン1本(約300円)、シャツ1着(約200円)あたりに必要な布の値段らしい。

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素材はポリエステルとのこと。だからここまで、安いのだと思う。これらをテイラーに持って行き、自分のサイズに仕上げるのだ。テイラーの工賃も、多分数百円だ。

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たまにNOKIAなど携帯電話の看板などを見かけるが、それ以外は、看板の様子も、多分数十年前から変わっていない、といった様子だ。

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女性のサリー着用率が、中心街など他のエリアに比して、圧倒的に高い。

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サリー店もそこここに。日常用/労働用の洗濯しやすく乾きやすい「ポリエステル製」の安いものを扱う店、ハレの日用の高価なものを扱う店、それぞれ異なる店がある。

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インドの人たちは、とにかく、カラフル派手好き。これは、多様性の国にあって、全国的に、全体的に、共通する事柄のひとつといえるだろう。

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子供のファッションも派手。

ところでお嬢さん。最近は朝晩が冷え込むから、風邪ひき対策ですか? その帽子。それとも、ファッション?

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靴底がはがれたので、ちょっと修理をしてもらいましょう……とレモンイエローのサリーがお似合いのお姉さん。このような修理屋さんは、ここに限らず、よく見かける。

05town14 ジャックフルーツの屋台。

この果実は、お通じにもいいとか。

少々の臭みがあるものの、ほんのり甘く、歯ごたえのある果肉。

あまり食べる機会はないのだが、悪くない味だ。

ドリアンに似ているが、ドリアンよりは、遥かに食べやすい。

今はマンゴーの季節が終焉のころ。

路傍のフルーツが、少し寂しいのだ。

05town15 右の写真がジャックフルーツの中身。

さて、街の散策を経て、そろそろ目的の店へ向かう。

わかりにくい場所であるため、隊員も少々手こずったようだが、無事にみんな揃った。

老舗店のムードたっぷりのこの店。

本日はこの店の情報を主に書く予定であった。

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ところが、予想しなかった出来事に遭遇し、それどころの気分ではなくなってしまった。

05lunch17 それは、食事を終え、注文したコーヒーがテーブルに届き、一口、二口を飲んだときのことだった。

外の通りから、ドンドコ・ドンドコと、賑やかな太鼓の音が聞こえて来る。

雑踏が押し寄せて来る気配に、わたしの心臓までドンドコ・ドンドコと躍動。

のんきにコーヒーを飲んでなどいられようか。

いや、いられまい。

というわけで、隊員2名に断りも入れず、カメラを片手に店を飛び出した。

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路上では、大勢の群衆に見守られ、鼓笛隊に先導されたヒンドゥー教のグル(師)のような老人が、半ばトランス状態のような風情で、歩いている。

05kisai03 ああ、なにかの宗教儀礼なんだな。

と思う。

インドでは、このような光景は、日常茶飯だ。

ヒンドゥー教の神々は数多くいらっしゃり、それぞれの逸話などに基づいた祝祭が行われる。

たとえば、ムンバイ(マハラシュトラ州)のガネーシャ祭り。

コルカタで盛大に行われるドゥルガー祭り。

挙げれきりがないほどの、大小さまざまな祝祭がある。

それぞれのコミュニティが、それぞれに、華やかに、敬虔に、祝祭を執り行うのである。

さて、コーヒーを飲みに戻ろうかと思ったら……。

なんか、煙たい!

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……と、火を焚いた素焼きの壷を携えた女性たちの行列が! 

写真で見る限りではわからないだろうが、この喧噪、音、そして匂い。

いきなり、異次元の世界に突入だ。

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あ〜。なんか怖いわ〜。いやな夢、見そうだわ〜。

みんなの表情も、なんか「取り憑かれている感じ」で、若いんだか年寄りなんだかわからない。

年齢を超越した生命体と化している。

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当然、店を飛び出し、カメラを携えている隊員と共に、

「なんの祭りかしらね〜」

などと言い合いつつ、店内に戻る。

05kisai06 てか、自分たち、ハンドバッグを店内に置き去り!

盗難してくれっていってるようなもんやろ!

隣席に座っていた女性が心配してくれていた。

申し訳ない。

実はわたしは、米国在住時、ハンドバッグの盗難、及び財布のスリ、計2回の被害に遭っている。

しかしインドでは、今のところ、一度もそのような被害に遭っていない。

だからといって油断しているわけではもちろんないのだが、祭りに興奮して我を忘れている場合ではない。

気をつけねばと気を引き締める次第である。

で、ようやくコーヒーを……と思いきや、店の店員さんが、外を指差す。また、なにか来たらしい。

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わ、なんだなんだ? 鉄棒が、頬に貫通している?!! 

カメラを構えるPAKAKO隊員の後ろ姿が映っている。

IMG00025-20110805-1305 U-KO隊員が撮ってくれた一枚。

うわ、という顔をしながら撮影している我。

このときはちゃんと、バッグを携えてますよ。

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しかし、なにがどうして、このスタイルでの祭りだろうか。いくら宗教に因んでいるからといって、これは、大道芸というか、見せ物の域ではあるまいか。

彼らは多分、子どものころから、頬に巨大ピアスのようなものをして貫通させ、肌を強くしているのだろう。テレビでは見ても、生でこういうものを見るのは初めて。かなりのインパクトだ。

05kisai14ところで鉄棒の先には、レモン。

インドのレモンはライムのように小さいのだ。

このレモンはトウガラシと一緒に括り付けて厄よけにするなど、ヒンドゥー教に欠かせないアイテムのひとつ。

だと思う。

ちょっと、詳しいことを調べる気力が、今はない。今なお、あの臨場感がまざまざと蘇り、脳内が混沌としているのだ。

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頬ばかりか、身体にもピアスをぶら下げているお兄さん。

自分も耳に穴をあけている身としては、単に部位と数が違うだけ、といってしまえばそれまでなのだが、これは、痛々しい。

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……と、今度は、整列した半裸のお兄さんたちが現れた。

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あいたたたたた。

痛くはないんだろうけど、痛そうにしかみえない。ちなみに肌についている血のようなものは、多分ザクロの汁だ。

兄さんの真剣な目がまた、どうしたもんだ。

05kisai17 兄さんたちの背後に、トラックが見える。

兄さんたちの後ろにはロープが伸びていて、トラックに結びつけられている。

お兄さんたちがひっぱるのかなあ、と彼らの背中を見て、目が点。

お兄さんたちがひっぱるのかなあ、と彼らの背中を見て、目が点。

繰り返しましたよ。

以下の写真は、相当に衝撃的なものが見られますので、小さくして、載せます。見たい方は、クリックして、大きくしてご覧ください。

きっつい写真は見るに絶えない。という方は、もう、ここで引き返してください。

心構えは、いいですか?

05kisai18 うわ。

05kisai19 うわ〜っ!

このとき、即座に頭に思い浮かんだのは、「野蛮すぎ」「人権侵害?」ということば。

神への生け贄? 

どういう歴史があるのか?

これ、写真を撮って、わたしブログに載せるんだろうか?

いいんだろうか?

などと、とりとめもないことを考える。

あまりの光景に呆気にとられていると、今度は、トラックの上でぐるぐると回るものが目に飛び込んで来た。

05kisai20 あり得ん。カメラ目線、あり得ん。

05kisai21 彼ら、皮膚に貫通した針金で、ぶらさがってますからね。

彼らは。

脚だけロープ。あとは針金&皮膚力。

それを、別の兄さんたちが、ぐるぐる回してますから。

軽く貧血を起こしそうなほどの、光景だ。

絶句。

以前、インドで人気となったコマーシャルがあった。

それを見たときに、面白いとは思えず、一抹の「いやな感じ」を覚えたのだが、あのコマーシャルが思い出された。

以下、動画を見つけたので、はりつけておく。

歴史、宗教、文化……。

その土地、その土地で育まれ、継承されて来たもの。それらを、どこまで「文化」とすべきなのか。

このような光景を目にすると、考えずにはいられない。

サーカスのようなもの。

と思えばいいのだろうか。

しかし見ようによっては、拷問のようなもの。

彼らは間違いなく生まれついた時から、こういうことをする以外の人生の選択肢は、なかったはずだ。

ひょっとすると、楽しんでやっているのかもしれないし、使命感を覚え、誇りに思っているかもしれない。

どんなに重要な祝祭で、重要な役割だったとしても、これは、どうなのだろう。

世界のあちこちで、このような「奇習」や「奇祭」は行われて来たし、今なお残っているところもある。それに対し、敬意を払うべきなのか。いやはや、さっぱりわからない。

この祭りの背景の調べもついていないので、今日はこの程度にとどめておくが、ともかく、ローカルフード探検隊、力一杯、打ちのめされた。

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午後、工芸品バザールに赴いたのだが、3人とも、興奮覚めやらず。

夫、アルヴィンドにこの話をしたところ、

「ぼく、そういう原始的なの、ほんと大嫌い。ああもう、聞いた途端に、ニューヨークに帰りたくなるよ。絶対、見たくない」

「わかってるよ。あなたにローカルのエリアに行こうなんて、誘ったことないでしょ?」

「ミホはなぜ、敢えてそんなところに行くわけ? なにかの罰ゲーム?」

そういう彼もまた、インド人。100%インド人。

インド。本当に、訳の分からん国。

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ローカルフードのレポート、及び工芸品バザールについては、明日にでもまとめてアップロードしたい。今日のところは、取り敢えず、吐露する感じで、奇祭レポートでした。

※数時間後:追記。

迷ったけど、隊員U-KOさん撮影の動画も添付します。自己責任において、閲覧してください。これであなたが精神的ダメージを受けたとしても、責任は取れません。

価値観が崩壊してゆく感じがすてき。

教えてここはどこ、わたし生きてるの? 『天国のキッス』BY 松田聖子

ではなく、

教えてここはどこ、わたし生きてるの? 『地獄のキッス』BY インドの日常

って感じですわ。いやあ、たまらん。

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