ANNAPURNA ~マルハン家の食卓~

食生活の記録@インド/アンナプルナとは、サンスクリット語で「たくさんの食べ物を供する豊穣の女神」を意味します。

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夫はムンバイ出張中で、帰宅は早くても午後8時を過ぎる。スパークリングワインくらいは用意しておくつもりだったが、夕飯は何か適当に、のつもりだった。

妻は来週半ばからの国外旅行を控えて、何かと立て込んでいる。日曜日には「宗教勉強会」というのも実施する。わたしは「インドの中心〈ナーグプル〉で仏教を叫ぶ」の資料準備中だ。ミューズ・クリエイションの駐在員男子(クリスチャン)は、キリスト教を語ってくれる。ホームページ作業に続き、デスクワークが波に乗っている時に、料理のことはあまり考えたくない。

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ところが、朝。すんばらしく美しいバラの花束が届いた。ムンバイから夫が注文してくれたらしい。鬼嫁は、たちまち怪獣、いや懐柔される。

夫に電話をしてお礼を言い、「夕飯は何が食べたい?」と尋ねる。「なにかおいしいもの」と夫。その、「なにかおいしいもの」という丸投げ感が、実は手強い。

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冷蔵庫を開けたところ、先日作っておいた「かんぴょう(乾燥したもの)」を見つけた。今夜の夕食は、巻き寿司にしようと閃く。実はわたしは、巻き寿司初心者だ。つい最近、卵巻き寿司などを何度か作ったが、経験値は極めて低い。

そんな中、昨年末、ミューズ・クリエイションのメンバーが持ってきてくれた巻き寿司の中の「かんぴょう」の味わいが、気になった。……そもそも、かんぴょうって、何? 何からできてるんだっけ? メンバーによると、瓜科の植物から作られているという。

後日、気になって調べてみた。すると、俄然、作ってみたくなった。瓜っぽいのはインドにもたくさん売られている。早速、BigBasket.comで注文し、輪切りにして皮をむき、干してみたのだった。晴れた日だったので、1日で完全に乾いた。作ったものの調理には至らず、冷蔵庫に眠っていた。

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いくらなんでもかんぴょう巻きだけでは地味すぎるので、エビと豚肉と卵も使うことにした。何もかも一緒にした太巻きだと、味の違いが楽しめないので、大きく3種類に分けた。

・豚バラ肉とキムチを細かく切ってごま油で炒めたもの&アスパラガス
・卵とインゲン豆とかんぴょう
・茹でたエビとインゲン、かんぴょうとマヨネーズ
・残りをまとめたもの

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細々と手間をかけて作った割には、見た目が地味だ。キャベツのサラダも作ったが地味だ。味噌汁の椀の華やかさと、スパークリングワインと花に演出を任せるほかない。

巻き寿司は、どれも素朴においしかった。人気は味の濃い豚キムチ巻きだった。

改善すべき点はといえば、ご飯はなるたけ薄く敷くこと。具の味付けはかなり強めに。かんぴょうは多めに巻き込まないと存在感が薄い。あと、卵の黄色が弱いので、ターメリックを少し混ぜるといいだろう。また赤いパプリカなどを茹でて使うなど、色味に華やかさを持たせた方が食欲をそそりそうだ。レタスなどの葉野菜も使いたい。

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上質の日本米と海苔の味が決め手ともなる巻き寿司。海外在住者にとっては、決して「気軽に」とは言い難い料理ではあるが、近々インド人の友人らを日本食でもてなすので、巻き寿司のヴァリエーションを増やしておきたいところだ。

そんな次第で、23回目のヴァレンタインズ・ディナー。今年もそこそこ平和なひとときであった。