ANNAPURNA ~マルハン家の食卓~

食生活の記録@インド/アンナプルナとは、サンスクリット語で「たくさんの食べ物を供する豊穣の女神」を意味します。

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    Eコマース界隈の急伸と、昔ながらの宅配サーヴィスの進化に伴い、食料品の調達が便利になった昨今。オンラインのスーパーマーケット、BigBasket.comを初めて利用したのは2014年。以来、内容は拡充し、試行錯誤を経て利便性は高まっている。とあるイヴェントで、CEO夫妻と話をしたことがあるが、そのコンセプトにも感銘を受けた。

    今、読み返したら、興味深い内容だと再認識。このとき、日本のソフトバンク、孫正義氏が多大なる投資をしたことでも知られるインドの配車サーヴィス「Ola」のCEOの話も聞いた。参考までにシェアしておく。

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    ◉経験を生かして「問題解決」を目指した結果。経験がないからこそ「リスク」を恐れなかった結果。(2019/02/08)
    https://museindia.typepad.jp/2019/2019/02/bbola.html

    冒頭から話が逸れた。

    そのBigBasketが、COVID-19のロックダウン下で、新たなサーヴィスを開始した。スマートフォンにダウンロードしたアプリから注文できるBBdailyというもので、夜の10時までに注文したら、朝8時ごろまでに、玄関先まで配達してくれるというもの。最初は牛乳やヨーグルトなどの乳製品だけだったが、気づいたら、野菜に果物と次々に選択肢が増え、今や、スーパーマーケット状態。便利である。

    さらには、以前も記した通り、週末はNamdhari’sが、店ごとアパートメント・コンプレックスまで来てくれる。Namdhari’sとは、2000年、スィク教徒によってバンガロールに創業されたヴェジタリアンの食材のみを扱うグローサリーストア。母体は野菜や果物の「種」の会社で、欧米、東南アジア、日本にも種子を輸出している。

    バンガロール郊外にある自社の直営農場では、オーガニックではないものの、安全な野菜を生産。果物などは、海外からの輸入品も販売している。その他、穀物や乳製品、調味料、菓子類、日用消費財なども揃う。完全にヴェジタリアン向けのため、卵は置いていない。

    このNamdhari’s、旧居には土曜日、新居には日曜日、店を開いてくれることから、外出せずとも気軽に購入できるのが便利。先ほど、フルーツ大好きな夫が、自ら買い物カゴを下げて購入してきた果物などを、きれいに洗って冷蔵庫に納めた。

    ちなみに2枚目の加熱して食べる種のバナナは、数日前にBBdailyで購入していたもの。輪切りにして蒸して食べるのもおいしいが、今日は軽くバターで焼いてみた。するともう、これが旨味たっぷり、甘さのなかにほんのり酸味があり、極めておいしく出来上がった。このバナナでパンケーキを作るのもいいかもしれない。

    BigBasketでは、商品の特徴や効能、調理法なども記されており、極めて実践的。このバナナはケララ州原産で、栄養価が非常に高く、妊婦さんやアスリートにもお勧めだという。ヴァイタミンC, B6やカリウムなどを含有し、免疫力を高め、骨を強し、消化を促進するなど、非常に「よさげ」だ。

    マンゴーのシーズンはそろそろ終わるが、今はジャックフルーツもおいしい。黄色い実の部分だけが売られているが、全体像は巨大な緑色のトゲトゲした果実。友人宅の庭になっていた写真を発掘したので載せておく。

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    日本語では波羅蜜(パラミツ)と、仏教的な響きの名を持つこの果実もまた、栄養価が高くさまざまな効能がある。このまま食しても、独特の歯応えと甘味がおいしいが、チップスなども売られている。また、加熱調理し、惣菜として出されることもある。

    そして今の時期、わたしが果実のなかで一番好きな「マンゴスティン」が食べられるのも幸せ。当たり外れはあるものの、わたしはマンゴーもさることながら、マンゴスティンが果物の女王だと思っている。

    ……と、果物ひとつをとっても、話が尽きぬ。新居の外庭の使い方をまだ考えていないのだが、やはり一部は果樹園にするべきか。ハーブ園にしたい、いや、日本庭園……? いやいやヤギや鶏を飼育したい……などと、未だに方向性が見えていないが、果樹園。いいかもしれない。

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    インド移住当初は、パーティなどの席で比較的頻繁にサリーを着ていた。しかし、インド人の友人らが着ていないのに、日本人の自分がサリーを着ていることに居心地が悪くなり、10年以上、ほぼタンスの肥やしとなっていた。

    再び積極的にサリーを着るようになったのは、パンデミックの最中、2021年8月の誕生日あたりからだ。すると、インドの友人知人の間では「サリーをよく着ている日本人」との印象が強まった。ゆえに、洋装だと「今日はサリーじゃないの?」と尋ねられる。

    昨日のパーティでも、「今日はサリーじゃないのね」と何人もから、尋ねられた。こうなると、「サリー=ユニフォーム」のような感覚になってしまう。

    👗昨日は、10数年前にニューヨークで購入したドレスを引っ張り出して久々に着用。昨今「敗者復活ファッション」が、わたしの中でトレンドである。実は昨年の3月ごろ、史上最高体重を記録した。それだけでなく、夫がかなり絞ったことで、わたしとの体重差が近くなってしまった。

    世間からは、夫より、わたしの方が身長が高いと思われがちだが、実は彼の方が少し高い。にも関わらず、わたしの体重に迫られては困る。このままではまずい、と一念発起して、「1カ月1キロ」のペースで減量した。

    それまでは、「更年期だから仕方ない」と諦めていたのだが、この考えこそがいけないのだと改めた。少し食べる量を減らし、アルコールなども控えめにした。結果、少々リバウンドを繰り返したものの、現在、最デブ時から3〜4キロの減量状態を維持している。

    本当はあと3キロほど落としたいが、今のところは様子見だ。おいしいものをしっかり食べたいし、お酒だって飲みたい。油断するとすぐに増量するので、日々「ホメオスタシス」を尊重しつつ、無理のない範囲で、健康体重を維持する努力をしている。

    というわけで、10年以上前に買ったものの、着れなくなり、しかし捨てられなかった服が、今また、「敗者復活」しているという次第である。

    にも関わらず、昨日は、フォーシーズンズホテルで開かれたパーティの料理がおいしくて、食が進んだ。南北インドの料理にコンチネンタルと、ヴァラエティ豊かな料理が並ぶ。

    ケララ旅で散々、食べてきたばかりなのに、アッパム(米粉のパンケーキ)もおかわり。そして最後は、超絶高カロリーなインドで人気のお菓子「ジャレビ」で締めくくる。

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    インドのお菓子といえば、丸い揚げ団子のシロップ漬け「グラブジャムン」が有名どころだろう。超絶に甘いことで知られるが、わたしはジャレビの方が罪深いと思っている。

    小麦粉を多めの水で溶いたものをクルクルと回しながら油に流し入れて揚げ、それをどっぷりとシロップに浸す。油と砂糖で満たされたその上に、さらに甘いミルキーな液体をかける。もう、歯に染み入りそうな、鬼の甘さである。しかしながら、この揚げたては、おいしいのだ。

    そんな見るからに強烈なジャレビを、わたしはかつて、避けていた。

    しかし、15年ほどまえ、夫の家族とオールドデリーに行った時のこと。実は夫は行ったことがなく、行きたがらなかったことから、夫の両親が同行すると申し出てくれた。結局は夫も一緒に4人で出かけた。

    ローカルで人気の店でランチを食べ、その後、ロメイシュ・パパが露店でジャレビを買い、わけてくれた。それが、本当においしかった。

    最後の写真は、そのときのもの。パパの手にジャレビ。それを取る夫の手。

    あれほどのおいしいジャレビには、あれ以来、まだ出合っていない。

    🌀

    そんな次第で、今年もキーワードはホメオスタシス。適度におやつも食しつつ、無理なく、しっかり、健康体重を維持するよう心がけたい。

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    昨年からメンバーになったバンガロールの女史勉強会 (Women’s study group)。ソーシャル・メディアなどにおいて、名称を公表することは禁止されているため、漠然と記す。

    週に一度、午前中、メンバーの自宅に集う。去年は拙宅(新居)で、わたしがスピーカーとなり、日本とインドの関係史にについて語った。

    さて今期(4月)より、わたしは役員の一人になったことから、ゲストスピーカーの選出などに携わっている。学びの多い日々はありがたく、しかし話を忘れてしまわぬよう、あるいは消化不良にならぬよう、毎回ノートに書き留める。

    どんなに日々、英語を話していても、わたしの中では圧倒的に日本語が強い。英語で聞いた話は、一度、書き留めないと、まさに「腑に落ちない」。すぐに忘れる。

    ところで今日の会場は、バンガロール市街東部のホワイトフィールド。上階のお宅からの眺めが爽快だった。

    帰路、買い物をすませたあと、近くのブリュワリーでランチ。昼間からビールを飲むつもりはなかったのだが、最寄りによさげな店がなかったのだ。

    食事だけにするつもりが、50mlのテイスティングというのがあったので、つい、2種類注文してしまう。あいにく、お味はいまひとつ。

    それでもね。この心地よい高原の風と、目に麗しき情景よ!

    調子に乗ってサーロイン・ステーキを注文し、がっつり完食してしまう。マッシュドポテトが濃厚すぎたが、おいしくて、残すつもりが食べ尽くし。夕飯が入らない今。

    バンガロールでは牛肉も豚肉も、普通に食べられる。バンガロール・ビーフはインドにおいて、ブランド牛でもあるのだ。
    インドは、広い。

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    4泊5日のケララ州コチの旅を終えて、一昨日の夜、バンガロールに戻ってきた。しかしながら、書き残しておきたいテーマがまだいくつもある。いつも、旅を終えたら日常に戻り、新しい出来事が重なり、旅記録を残す衝動が損なわれてしまう。だから極力、旅の最中に書き留めておきたいのだが、今回もまた、取りこぼした。

    経験して、有意義に思ったことは、たとえ関心がある人が少ないとしても、誰かとシェアしたいし、何より未来の自分のためにも、残しておきたい。しかしながら、何につけても歴史と文化の多様性が深く潜んでいるインド。書いている最中にも、調べておきたいことが次々に発生する。

    食文化もその一つ。

    インドに暮らして18年目になる。この歳月、それなりに、いろんなインド料理を口にしてきたと思う。ケララ料理だって、あれこれ食べてきたつもりだった。たとえばアーユルヴェーダの理念に基づいた、健康的なサトヴィック料理。ココナツオイルやバナナの花、さまざまなスパイス、ふっくら丸い米……。

    米の粉で作られたパンケーキ「アッパム」や、アッパムと共に食すホワイトシチューは定番だ。

    ヴェジタリアンの料理が主体かといえば、そうではない。ケララは牛肉を含むさまざまな肉料理や魚介類の料理も豊かだ。今回は、ケララ州の、いや、このフォート・コチだけでも、その料理の多様性の極みを思い知った。わたしの味覚や胃袋を満たしてきたそれは、氷山の一角に過ぎないのだということを、旅をして改めて思う。

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    無論、4泊5日の滞在中に食べた料理は限られている。しかし、その奥行きを知ることができたのは、今回、「コチ=ムジリス・ビエンナーレ」の展示の一つが契機だった。「Table」というタイトルの展示をしていたアーティストでありキュレーターでありライターでもあるTanya Abrahamにお会いし、ほんの短い時間ながら言葉を交わせたのは有意義だった。

    彼女の執筆した2冊の本を教えてもらい、ホテル近くの書店に立ち寄り、早速、購入。

    1冊はフォート・コチの「知られざる歴史」を記したもの。そしてもう一冊は「食」を通して、フォート・コチの歴史をたどるもの。数千年前の古代、アラブ人がスパイス貿易をしていたころからの影響を受けている食の世界……。この1冊を仕上げるのに4年の歳月を費やしたというが、開いてみて納得する。

    前半は、フォート・コチの多様なコミュニティの歴史や文化、後半はそれぞれのコミュニティの代表的な家庭料理のレシピが記載されている。

    シリアン・クリスチャン、ラテン・カソリック、マラバリ・ジュウズ、アングロ・インディアン(インド人と英国人の混血)……と、フォート・コチの過半数を占めるクリスチャンや、今ではもう風前の灯のユダヤ教徒のコミュニティに伝わってきた料理など。単なるレシピ本ではない、食の背後にある歴史がわかりやすく綴られていて、なんとも魅惑的な内容だ。

    「月光ライブラリ」には、インドの多様性の片鱗を示す料理の本もたくさんある。それらのこともまた、いつか記したいものだ。

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    今回の旅。最後に泊まったホテルの「家庭料理」が、極めておいしかった。作り置きではない。すべての料理が、注文を受けてから作られる新鮮なものばかり。だから、唐辛子が苦手な夫のリクエストにも応えてもらえる。また、Tanya含め、地元の人、複数名が勧めてくれたローカル食堂Fusion Bayの料理も最高だった。ナスとヨーグルトの煮込み、海老のシチュー、魚の蒸し焼き……。他の料理も試したかった!

    🌶

    Instagramの、1回に投稿できる写真が10枚で、文字数が2000文字で、むしろよかった。さもなくば、際限なく書き続けてしまう。

    ◉Eating With History: Ancient Trade-Influenced Cuisines of Kerala
    https://www.amazon.in/Eating-History…/dp/9389136261

    ◉Fort Kochi, Art, Therapy and Food: A Peek Into Tanya Abraham’s Creative World
    https://eshe.in/2020/12/24/tanya-abraham/

    🍴FUSION BAY
    https://www.zomato.com/kochi/fusion-bay-fort-kochi

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    🌻The paintings of sunflowers in the hotel room were surprisingly similar to the sunflowers displayed before the trip. Yellow is one of my favorite colors.

    黄色はわたしが好きな色のひとつです。

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    “The literary meaning of Kerala is “the land of coconuts”. “Kera” in Malayalam (the language of Kerala) means coconut. As Kerala is abundant with coconut plants, it naturally got the name Kerala.”

    ケララという名は、当地で使われる「マラヤラム語」で「ココナツの王国」という意味だと、昨日のガイド氏が教えてくれた。かなりシンプルな命名である一方、ケララ州はインド・パキスタンが分離独立した1947年から9年も遅れた1956年になって、ようやく成立したという。

    話は飛ぶが、イスラム教徒が多い地、ハイデラバード藩王国(現在はテランガナ州とアンドラ・プラデーシュ州の州都。ややこし!)が、印パ分離独立後もパキスタンに帰属する様子を見せ、東パキスタン(現バングラデシュ)のような飛び地国家になる可能性があった。もしそうなっていれば、パキスタンはトライアングル状態でインド国内に領土を持つことになっていただろう。

    結局は、1948年にハイデラバードは降伏し、インド政府に強制併合される形となった。つまり、1947年にピシッとインド全体が独立したわけではないということは知ってはいたが、ケララが9年も遅れて成立していたことは知らなかった。インドは広くて多様で、知れば知るほど、奥が深い。

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    率直にいえば、今回のコチ=ムジリス・ビエンナーレは、6年前に比べると、かなりインパクトが弱い。規模そのものが、パンデミックの影響で縮小されている気もする。それから、重い世相を物語る作品が多い気がする。笑えない。あるいは、希望を抱くのが難しい。

    しかし、それも時代の現実。誰かの手(アーティスト)によって、目に見える形で留められた時代の片鱗を、どう捉えるか。それは見る側の受け止め方、次第だろう。駆け足で眺めたのではわからない世界もたくさんある。だから、できるだけゆっくりと。

    🥥

    夕暮れ時、ひとりでフォート・コチを歩いた。年末に訪れたポンディシェリとも重なる古き情景は、不思議と心を落ち着かせる。夕映えがよく似合う街並み。
    6年前に引き続き、今回もゆっくり4泊5日の旅にしておいてよかった。しっかりと、消化しながら、次に進む。

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    今朝は早起きをして、ホテルがアレンジしてくれたウォーキングツアーへ。参加者は我々夫婦だけだったので、ガイド氏の話をたくさん聞けたのはよかった。

    今なお15世紀半ばから17世紀半ばにかけての大航海時代の名残を色濃く残す場所、フォート・コチ。ポルトガル、オランダ、英国という、欧州の3カ国に統治された歴史を持つのは、インドではここだけとあって、その歴史の濃密さもひときわだ。

    かつて、一度訪れて、とても気に入ったスリランカのゴールの旧市街(フォート)と似た空気が流れているのは、ゴールもまたポルトガル、オランダ、英国の3カ国に占領された歴史があるからだろう。それは、スパイスや宝石を渇望する欧州列強により、侵略、支配されてきた歴史でもある。

    大航海時代のヒーローのひとり、ヴァスコ・ダ・ガマ( 1460年ごろ〜1524年)。ポルトガルの航海者/探検家である彼は、欧州からアフリカ南岸の喜望峰を経由してインドへ航海した「記録に残る最初」の欧州人だとされている。

    ヴァスコ・ダ・ガマは生涯で3回、コチを訪れ、このフォート・コチで死んだ。彼が住んでいた家(1枚目の写真)や、彼が弔われた聖フランシスコ修道院(4枚目の写真)は、今なお、その姿を残す。見るもの、聞くもの、すべてが遥か数世紀前と現在とをやすやすと結びつけ、歩いているだけで、時間旅行をしているかのようだ。ちなみにそのころ日本は室町時代。金閣寺などが建築されたころらしい。

    スパイスの歴史は、大航海時代の遥か以前、紀元前数千年前から陸路、即ちシルクルート(シルクロード)経由でアラブの商人らにより交易されていた。しかし、1453年、東西交易の要衝を担っていたコンスタンティノープル(現在のトルコ、イスタンブール)が陥落したことにより、シルクルートが使えなくなったことから、海路の開拓が進んだとのこと(このあたりガイド氏の説明によるので未検証)。

    かつてケララ州は、3つの王国(マラバー、コチ、トラヴァンコール)に支配されており、その歴史的背景も独特だ。ちなみに先日の和製マジョリカ・タイルのことを記した際に言及したインドの著名な画家、ラジャ・ラヴィ・ヴァルマは、トラヴァンコール王国の出自である。これに関する動画も、STUDIO MUSEのYouTubeチャンネルで公開しているので見て欲しいものだ。

    【ケララについて】

    ○キリスト十二使徒の一人聖トマスが紀元52年頃に訪れ、キリスト教を布教。シリア語でミサを行ったことから「シリアン・クリスチャン」と呼ばれる。今でもその信仰は受け継がれている。

    ○コチに関していえば、人口の約半数がクリスチャン。16世紀初頭にポルトガル人が統治した際、一気に12ものローマンカソリックの教会が建てられた。

    ○ケララ界隈のマハラジャ(王族)は、デカタンで怠惰で危機感のないライフを送っていたことから、あっというまにポルトガル攻め入られ、スパイスやら象牙やらチーク材やらを持っていかれる羽目に陥った。

    ○遠い昔、女性が家長だった時代がある。

    ○識字率がインドで最も高く90%を超える。ガイド氏曰く、ほぼ100%。即ち教育水準が高い。

    ○政権の交代はその時々で起こるものの、従来から共産党の勢力が強い。「スターリン」と言う名の政治家が牛耳っていた時代もあり。彼に限らず、ロシア人の名前を持つ政治家が少なくなく、ブレジネフやらレーニンもいるという。政治家にとどまらず、ガガーリンさんやらスプートニクさんもいるらしい。

    ○1967年から1970年にかけて、毛沢東主義のナクサライトの拠点でもあった。赤い。

    ○赤い一方で、女性のサリーは白い。インドにおいて白いサリーは一般に寡婦が着用するものであるが、ケララのそれは白地に金色のボーダーが入っているところに違いがある。

    ○ケララの人は、象が好き。あっちこっちで、象の像をみかける。象の頭を持つ神様、ガネイシャもよく見られる。

    ○少林拳の起源? とも言われるカラリパヤットという武術発祥の地。

    ○歌舞伎の起源? とも言われるカタカリというダンスの発祥の地。

    ○5000年の歴史を持つ伝承の医学、アーユルヴェーダの発祥地でもある……。と、ケララ州のことを書き始めると尽きない。

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    今日、ガイド氏に教わった話もまだまだ尽きないので備忘録として残しておきたいのだが……現在、昼寝を終えて午後3時半。
    これからスパークリングワインでも開けるので、とりあえず、この辺にしておく。

    ちなみに朝食の写真は、ケララ料理で定番のアッパム(米粉のパンケーキ)に白いシチューを載せたもの。夫はなぜかヤクルトでコーデ。

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    When I hold seminars at my home, I usually provide ‘homemade snacks and refreshments’. Preparing food and drink is also one of my pleasures. However, at the day before yesterday, I concentrated on preparing documents and ordered delivaries for the sweets and snacks. I have written many times about how food delivery services in India improved dramatically during the pandemic. Nowadays, it is remarkably convenient.

    Even in this area of North Bangalore, you can order from some of the small, trendy shops there. Yesterday I ordered cheesecake, chocolate cake and cookies from SMOOR. The cheesecake always has crumbled cream on top, so I arrange it later with fruit toppings.

    Then biscuits and chips from ANAND Sweets, a popular Indian confectionery brand in Bangalore. These are stylishly (and partly excessively) packaged and taste deliciously different from other brands. It is apparent that the younger generation is renewing the brand image.

    While setting the table and preparing tea and coffee, I was reminiscing about the past.

    Eight years from 2012 until we went into lockdown. That every Friday, I invited a dozen or more, often nearly 40 members, to my home every week. On Thursday nights, I used to make Japanese sponge cakes, Swiss rolls, Fruits tarts and shortbread etc, and that was just about every week, a huge amount of pastries.

    What was all that enthusiasm? Even though I enjoyed it, even though I liked doing it, I don’t know how I managed to keep it going. With an impulse that, despite myself, I don’t really understand. Anyway, I am deeply reminded of the invaluable experiences I have had with the members of Muse Creation over the past eight years.

    Sunflowers and lilies decorate and add colour to every part of the house. I arranged the sunflowers like Van Gogh’s sunflowers. Stems of sunflowers are as vigorous and strong as fresh vegetables. Someday, I will plant sunflowers in my garden.

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    🇯🇵我が家でセミナーを開催する際には、「手作りのお菓子や軽食」を提供するのが常だ。飲食物の準備もまた、手間がかかるとはいえ、楽しみのひとつである。
    しかし、一昨日のセミナーは、資料作りに集中し、お菓子はデリヴァリーを頼んだ。パンデミックを経て、インドのフード・デリヴァリー・サーヴィスは格段に向上したことは、これまでも幾度となく記した。今となっては、恐るべき利便性の高さだ。

    北バンガロールの店舗数が少ないこのエリアでさえ、そこそこ小洒落た店から注文できる。昨日はSMOORからチーズケーキやチョコレートケーキ、クッキーを注文。チーズケーキはいつも上のクリームが崩れているので、あとからフルーツをトッピングしたりしてアレンジする。

    それからバンガロールの人気インド菓子ブランドANAND Sweetsのビスケットやチップス類。これら、包装もおしゃれに(一部過剰に)なって、味わいも他の銘柄とは一線を画するおいしさなのだ。若い世代がブランドイメージを刷新している様子が伺える。

    テーブルのセッティングをし、お茶やコーヒーの準備をしながら、思い出す。

    2012年からロックダウンに入るまでの8年間。毎週金曜日、十数名から多い時で40名近くのメンバーを、毎週自宅に招いてきたことを。木曜の夜は、カステラやロールケーキやらタルトやらショートブレッドやら、それはもう、毎週のように大量のお菓子を作っていたものだ。

    あの熱意は、一体なんだったのだろう。楽しかったとはいえ、好きでやっていたとはいえ、よく継続してきたなと思う。自分のことながら、自分でもよくわからない衝動で。本当に、多くのメンバーたちと共に、かけがえのない経験を重ねてきたものだ。あれもまた、ひとつの時代。

    ひまわりや百合などを飾り、家の随所に彩りを添える。ひまわりは、ゴッホのひまわりみたいに活けてみた。新鮮な野菜みたいに元気でたくましいひまわりの茎。庭に、ひまわりを植えるのもいいかもしれない。

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    一昨日、無事バンガロールに戻ってきた。

    京友禅サリーの展示会が目的で訪れた冬のデリー。よりによって、今年で最も空気が悪く、視界不良でフライトが遅れた日に到着した。しかし、その数日後からは空も澄み始め、寒さにも慣れた。

    展示会の準備のために買い物へ出かけたり、親戚宅を訪れたり、友人たちと食事を楽しんだりと、無理をしない程度に外出もした。

    13日には展示会の開場前に、祭司を招いてロメイシュ・パパの命日を祀る儀礼を行った。ヒンドゥー教の儀礼は、何かと火を焚く。結婚式のときも。新居の祝祭も。

    さらにはその日、北インドはLohri(ローリー)と呼ばれる冬至の祭り日であった。五穀豊穣を願うもので、これまた火を焚く。マルハン家1階のテナントの一家に招かれた。展示会を終えてひと段落した後、階下に降りる。

    軽くカクテルなどをいただき、語り合った後、焚き火の周りを歌い踊りながら周り、ポップコーンやピーナッツを火に投げ込む。

    大気汚染を助長している、すまぬ。との思いと、昔ながらの習慣だから仕方ないよな……との思いが錯綜。

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    14日の展示会終了後は、義理の継母ウマの誕生日を祝うことができ、それもうれしかった。本当にありがたい偶然だった。

    デリーでは、バンガロールでは感じることのない、インド家族や親戚との繋がりや歴史を肌身に感じる。好奇心を刺激されると同時に、あまりの果てしなさに途方に暮れる思いにもなる。

    抱えきれないほどのテーマを前に、自分が関われることには限度がある。やるべきこと、やりたいことを見極めて、あれこれ抱え込まず、取捨選択をせねばとも思う。

    デリー宅は今後、改装工事が必要だ。バンガロールの旧居もまた。これらは不可欠なすべきこと。

    一つ一つの課題が重いが、マネジメントできるのは自分しかいないので、焦らずぼちぼち、進めたい。

    詰め込んでいるつもりはないのに、時間はどんどん流れていく。隙間、余白を大切にせねば。

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    桐子さん、美紗さんは、今回2週間ほど、空港近くにある我々夫婦の新居に滞在する。ここはヤラハンカと呼ばれるエリアで、彼女たちの母校であるCIS (Canadian International School)からも至近だ。このたびの「里帰り旅」で最も重要なミッションは「母校訪問」だというので、初日の昨日、早速訪れることにした。

    彼女たちの滞在中、わたしも要所要所で行動を共にしようと思っている。とりあえず母校訪問のハイライトはぜひとも見ておきたいので、同行することにした。

    「アポイントメントを入れて行った方がいいですよね……」と彼女たちは言うが、「とりあえず、行こう。行ってその場で、アポイントメントを入れよう!」と、強行。

    新しいビルディングが林立し、かつてとは様子の異なる国道沿いの光景に、感嘆の声をあげ続ける二人。大通りを外れ、学校までの細い路地に入るや、広がる懐かしい情景。牛の姿にも大騒ぎだ。

    受付で事情を説明したところ、折りしも彼女たちをよく知る先生が駆けつけてくれた。久しぶりの再会に、3人とも大喜びだ。ちょうど時間があいていたらしき彼女が校内を案内してくれることになった。柔軟な対応がありがたい。

    わたし自身、ここには数回訪れたことがある。かつてここで、「日本人補習校」の授業が行われていたころ、臨時で2度、国語の先生を担当した。その後、ミューズ・クリエイションを創設後、生徒たちに日本の文化を伝えるべく、メンバーと共に訪問したことがある。

    わたしの目には、かつてと変わりなく映る校舎だが、彼女たちにとっては「なんだか、小さく見える……!」とのこと。二人とも、大きくなったからね。大人になると、子ども時代になじみのあった情景は、小さく見えるものである。

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    ここでのわたしは、フォトグラファーに徹し、彼女たちの背後を見守った。何人かの先生やスタッフの方々と、言葉を交わした。大きくなった彼女たちをすぐにはわからなくても、昔の写真を見せたり、名前を伝えたり、あるいは兄弟のことを話すと、すぐにも先生たちは思い出してくれる。みな満面の笑みで再会を喜んでくれた。

    受付に座っていた女性スタッフは、生徒たちの登録や学費徴収などの担当をしているとのことで、名前を伝えるや、Misa Arima! と、フルネームをさっと口にする。10年前の生徒の名前もしっかり覚えているとは、驚きだ。

    2時間近くものあいだ、ゆっくりと、学校内を巡った。わたしはといえば、校舎の色合い(青と黄色)とコーデされたファッションにて、記念の1枚。

    バンガロールに到着後、十数時間しかたってないが、すでに、最大のミッション完了。興奮冷めやらぬまま、新居の近くにできたスポーツセンターのカフェレストランでランチ。ここは別のインターナショナル・スクール(Stonehill)に隣接しており、外国人の来訪者も多い。

    彼女たちの知らない新しいバンガロールも伝えつつ、わたしにとってもバンガロール再発見の日々になりそうだ。

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    🌸インターナショナルスクール (CIS) で、折り紙&書道を実践。(2016年3月)
    https://museindia.typepad.jp/mss/2016/03/cis.html

    📗束の間、国語教師/異国で子供を育てるということ(2010年8月)
    https://museindia.typepad.jp/2010/2010/08/cis1.html

    📗チャリティ・ティーパーティ/補習校で「桜」作文(2010年8月)
    https://museindia.typepad.jp/2010/2010/08/cis2.html

    https://www.centreforsports.in/
    https://www.amielgourmet.com/